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グリーランドを中国から守ったマティスの功績

グリーンランドでは3つめとなる新空港が計画されているのだが、その融資を中国がおこなう予定だったものをアメリカとデンマークが阻止した。

グリーンランドは広大な島に5万数千人しか住んでいない「大きな小国」だ。デンマーク領だが、ある程度の自治権を擁する自治領であり、首相もいる。

島の大半が一年中氷に閉ざされている。それなのになんで「緑の土地」かといえば、ご存じのように入植者を増やすために嘘をついたという説と、中世期の温暖な時期に本当に緑がいっぱいだったからという説がある。

昔は本当に「緑の島」だったわけだ。

以前書いたが、中国は北極海の海底資源を狙っており、現在、高度な砕氷船を作って北欧までの航路を作ろうと必死になっている。そこで、同じ準北極圏にあるグリーンランドも「スリランカ化」の標的として狙ったが、ジェームズ・マティス国防長官(当時)が阻止にはいり、無事、デンマークの銀行が融資することになった。

だが、地元民が喜んでいるかというとさにあらず。みんな独立したいと願っており、基本的には反デンマーク。また、グリーンランドを安全保障の拠点としてきたアメリカにも反米感情がある。ここに行き着くまでひともんちゃくあった。

グリーンランドには豊富な地下資源、とくに石油が眠っていると考えられている。温暖化で氷が溶けるまで、デンマークは意地でも手放すつもりはない。もちろん、住民は独立したい。その葛藤にすきに中国が入り込み、グリーランド自治政府自身が中国に飛んで融資を要請した。

そこまで行っていた話を、マティス元国防長官はデンマークと話をつけ、グリーランド自治政府を説得して、なんとか阻止したわけだ。将来のことを考えると、この功績は決して小さくない。


なお余談だが、温暖化について「CO2排出による温暖化」と枕詞がつくことがあるが、グリーンランドは昔は本当に「緑の島」だったんである。循環的な温暖化だ。異常気象だって、CO2がクローズアップされる前からいつでも起こってきた。

温暖化は温暖化であって、CO2はCO2だ。両者に因果関係があるのはほぼ確定しているが、どれくらいあるのかはまだわかっていない。わかっているかのように言うのは、もちろん何かしらの意図があるからだろう。

【参考文献】
ウォールストリートジャーナル
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プロフィール

白川司

Author:白川司
ジャーナリスト・翻訳家。東京大学大学院博士課程満期中退。国際関係、言語学、心理学など複数の分野に精通している。『月刊WiLL』にて連載「Non-Fake News」を執筆中。翻訳書に『クリエイティブ・シンキング入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)ほか。

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