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アメリカ・トルコ対立はトルコの負け

現在、トルコ情勢が世界経済の懸念材料になっている。

発端は、アメリカ人のキリスト教徒福音派牧師が拘束されて、その釈放を求めてトランプ大統領がトルコに対して経済制裁をかけることにしたことだ。それに対して、エルドアン大統領は、全面的に対抗すると明言したことが大きく響いて、トルコリラは大きく下落を続けている。

エルドアン大統領は当面の対抗措置として、アメリカ製家電やAppleのiPhoneなどスマホの禁輸を明言している。

リラ下落に対抗するにはドル売りリラ買い介入と、金利を上げて海外投資を加速させることが必要だが、そもそも金融制裁が主眼であり、準備金も枯渇している上に、エルドアン大統領が中央銀行に介入して、金利上昇を阻止している。

はっきりいって悪手の極みで、トルコ経済は今後、凋落する可能性が高い。

ただ、エルドアン大統領の強硬姿勢には裏付けもある。1つは、トルコ自体が要害であってエネルギーの中継基地として最重要。そのほかにも、EUの移民抑制政策を実行するにはトルコの協力が必要。米軍がイラクやシリアに介入するにはトルコの空港を利用せねばならない。などなど。

つまり、現在世界的に起こっているあらゆる紛争や問題に対するアメリカやEUによる対策・戦略が、トルコ抜きでは行えないということだ。だからこその強気である。

それでもトランプ大統領がトルコ包囲に踏み切ったのは、プーチン大統領と曲がりなりにも連携関係が締結できたからだろう。その裏にはもちろん、イラン制裁を強める狙いがある。

逆に言えば、エルドアン大統領がギブアップしたら、イランも究極まで追いつめられることになる。言うまでもなく、プーチン大統領が何もしかけなければ、だけれど。

【参考文献】
Wall Street Journal
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プロフィール

白川司

Author:白川司
ジャーナリスト・翻訳家。東京大学大学院博士課程満期中退。国際関係、言語学、心理学など複数の分野に精通している。『月刊WiLL』にて連載「Non-Fake News」を執筆中。翻訳書に『クリエイティブ・シンキング入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)ほか。

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